トンヌラの弓道

現役部活動指導員の初心者ガイド

【弓道場で失敗しない】初心者が最初に覚えるべき「マナーとルール」

弓道場で初心者が知っておくべき、入退場や道具の扱い、安全に関するマナーとルールをまとめた完全マニュアル記事のアイキャッチ画像。


弓道は技術を磨く前に、まず【礼(れい)】を学ぶ武道です。指導者がいない部活では、道場のマナーやルールを知らないと、思わぬところで周りの方に迷惑をかけてしまうかもしれません。

この第8記事は、初心者が安心して道場に立ち、他校との合同練習でも恥をかかないための【マナーとルールの完全マニュアル】です。正しい作法は、あなたの集中力と上達を必ず助けます。

練習前に必ず行うべき「道場(どうじょう)の準備と清掃」

稽古は、道場を整えることから始まります。これが弓道部員の基本中の基本です。

「場」を整える:神棚の清掃と水換え、神拝(しんぱい)

  • 神棚の作法: 道場は神聖な場所です。練習を始める前に、まず【神棚(かみだな)の清掃と水換え】を行いましょう。場を清めることは、心を清めることでもあります。
  • 神拝(しんぱい): 練習を始める前には、原則として神棚(かみだな)に向かって行います。神棚がない道場では、正面に向かって行います。もし道場に国旗がある場合は、神拝(しんぱい)の代わりに【国旗に向かって一礼(いちれい)】で十分です。これが集中力を高める最初の儀式です。

射場(しゃじょう)の清掃と垜(あづち)・的(まと)の設置

  • 清掃は自己責任: 使う場所は自分たちで綺麗にします。弓道場を大切に扱う気持ちが大切です。
  • 垜(あづち)と的: 的場(まとば)にある垜(あづち)や的(まと)の準備は安全管理の第一歩です。倒れていないか、的がしっかり固定されているか確認しましょう。

着替えと道具の準備:身を律する作法

稽古着や道具を扱う際の細やかな作法が、あなたの精神を律します。

袴(はかま)への着替えと服装の清潔さ

  • 服装の基本: 弓道着と足袋(たび)は、白が基本で清潔に保ちます。汚れやシワは、あなたの集中を乱すだけでなく、武道への敬意を欠くことになります。

道具の準備:弦張り、矢の点検

  • 道具の点検: 弓(ゆみ)の弦を張ったり、矢の羽根や筈(はず)に割れや欠けがないか確認します。道具の不備は、事故に直結します。

弽(かけ)の着け方:正座して行う

  • 道具への敬意: 弓、矢、弽(かけ)は大切な道具です。特に弽は、必ず正座(せいざ)して丁寧に着けるのが作法です。立ったまま着けるのは避けましょう。

道場内での「動作」と「言葉の作法」

全ての行動で守るべきルールです。これができないと、即座に「失礼な人」と見なされてしまいます。

道場への「入退場時」の礼と動作

  • 入退場時の揖(ゆう): 射場に入る時も出る時も、立ち止まって「揖(ゆう)」を行います。礼節(れいせつ)の基本です。
  • 敷居と動作: 敷居(しきい)は踏まないこと。道場内は走らず、またバタバタと足音を立てないよう静かに歩くことがマナーです。

他者の前を横切る際の挨拶

  • 声かけの徹底: 他者の前(特に的や射線付近)を横切る際は、必ず立ち止まり、【失礼します】と声をかけてから通るか、横切った後に【失礼しました】と述べます。

指導・助言を受けた時の感謝と謝罪

  • 指導を受けた時: 先輩や指導者から助言を受けたら、即座に「ありがとうございます」と伝えましょう。素直な感謝は上達の第一歩です。
  • 失敗を犯した時: 自分の誤りや失敗で周りに迷惑をかけた場合(矢が落ちた、音を立てたなど)は、「失礼しました」と述べ、次に活かす姿勢を示しましょう。

射場(しゃじょう)での「安全と集中」のルール

命に関わる安全ルールと、自律の原則です。

射場内での沈黙と会話の絶対ルール

  • 会話の原則: 射場での会話は、必要な連絡事項を除き、必ず小声(こごえ)で行います。大きな声や笑い声は厳禁です。
  • 他者への配慮: 他の人が引いている際も、「頑張って」などの声かけは集中を乱すため原則禁止です。

射位(しゃい)に立ったら私語厳禁

  • 私語禁止: 自分の番が来て射位(しゃい)に立ったら、私語は厳禁です。完全に集中モードに入りましょう。

矢取り(やとり)の原則と感謝

  • 自律の原則: 一手(ひとて)(2本)射ったら、原則として自分の矢は自分で矢取り(やとり)に行くのが基本です。矢取りが面倒だからと、4本の矢を持って練習するのは、道場では【マナー違反】と見なされます。
  • 矢を守る理由: すぐに矢取りに行く理由の一つは、自分の矢が他の人の射た矢に当たって破損するのを防ぐためでもあります。安全と道具への配慮がマナーの根幹です。
  • 感謝の言葉: 他の人が自分の矢を取ってきてくれたり、手伝ってくれた場合は、必ず「ありがとうございます」と感謝を伝えます。

まとめ:マナーは「相手への配慮」から始まる

弓道におけるマナーや作法は、あなた自身が気持ちよく集中するためのものであり、同時に【相手に気持ちよく集中してもらうための配慮】です。

指導者がいなくても、このマニュアルを実践すれば、あなたは道場で一目置かれる弓道部員になれます。

次回予告:素引き・巻藁へステップアップ

マナーを学んだら、次は技術指導に戻りましょう!

次回は「【素引き(すびき)の真髄(しんずい)】ゴム弓卒業(そつぎょう)後の正しい素引き練習とフォーム改善術」をテーマに、いよいよ本物の弓を使った練習への移行をサポートします。お楽しみに!